訪問看護師が注意すべき不適切なコミュニケーションとは?
2024/05/20
目次
こんにちは!ライフ訪問看護ステーション事務長の小高です。
いつもコラムをみていただき、ありがとうございます!
コミュニケーションには種類があり、目的も様々です。そして使い方によっては逆の効果を生み出してしまうこともあります。道具と同じく、コミュニケーションにも注意点があります。
今回は円滑なコミュニケーションのためにも知っておきたい、訪問看護におけるコミュニケーションの注意点についてお届けします。
その方らしい生活のために
コミュニケーションの注意点に入る前に、前提としてご利用者さまに対する心構えの復習をしましょう。
訪問看護は、病棟看護と違い「治療」よりも「ご利用者さまらしい生活をサポートする」ことに重点を置いています。つまりこれは、訪問看護師とは、ご利用者さまを管理する仕事ではなく、一緒に歩んでゆく仕事だと言うことです。その点を念頭に置いて注意点を見て行きましょう。
①専門家としての注意点
人を助け、癒すことの出来る看護師は素晴らしい資格です。専門的な知識を獲得し、目の前のご利用者さまのためにその知識とスキルを用います。だからこそ、注意が必要なのが「専門家としての注意点」です。訪問先は病院ではなく、ご利用者さまのご自宅です。訪問看護師としてのベストなケアよりも、「今、ここに暮らす方」の視点が必ず必要になります。
ご利用者さまもご家族も、これからどうなるのかが不安を抱えていらっしゃいます。訪問看護師は、相手の知識レベルに合わせて適切な言葉を使って今後の説明とケアについてお伝えする必要があります。
もしも専門用語がたくさん入った説明を行ってしまった場合、説明についてご利用者さまとご家族の不安感は増してしまうか解消されないまま残り、これからのケアの協力体制を築くことが難しくなる可能性があります。信頼関係構築のためにも、この点は注意しまします。
②早い段階でのアドバイスや説明に関する注意点
訪問看護において、先行きの見通しをご説明することは大切なことです。しかし、その見通しがいくら正しくても、タイミングを間違えればご利用者さまとご家族の意欲を削いでしまうこともあります。
例えば、退院してすぐのご利用者さまから「傷がうずいて仕方がない。夜も眠れない」と言う訴えを受け取った時に、訪問看護師が「今回の手術の痛みは3日程度で引きます。そのあとは動けるようにリハビリを始めましょう」とお伝えすると、ご利用者さまはどう思うでしょうか?
これはご利用者さまに対して共感が上手く行っていないケースです。
ご利用者さまの立場からすると、痛みが引いたとしてもリハビリへの不安が増しますし、そもそも今痛みがあるのにも関わらず、対処してもらえないのかと言う失望にも繋がります。まずは、ご利用者さまの訴えを真摯に受け止め、その先の話ではなく今現在の問題の解決について正確にお応えします。
③決めつけるような表現を用いる
訪問看護では、経験を積むほど様々なケースに出会いその対処方法を学びます。そして、その経験から、その時の対処について「良い」か「悪い」が明確に理解できるようになります。自分自身が判断し、その対処ができるのならそれで問題ありませんが、例えば訪問先で、ご家族が行った対処についてはっきりと「それはダメです」や「間違っています」と伝えることは避けるべきです。そうした対応をしてしまうと、相手は自分たちの感情や考えが無視されていると感じてしまいます。
ご利用者さまもご家族も専門家ではなく、不安を抱えた人間であると言うことを忘れてはいけません。もしも間違った対処をされていた時に、専門家として適切なアドバイスをしたいのならば、その時の状況や気持ちを良く聴きとり、どうすれば正しい対処ができるようになるかを一緒に考えましょう。
④質問を連続でする
訪問先で、真剣にケア行うあまり一気に質問をしてしまったことはありませんか?
訪問看護師として、疑問点を明確にしたいと望むことは当たり前のことです。しかし、訪問看護師側からの質問は、ご利用者さまやご家族の話を遮ったりしてまで行うべきではありません。
自分の言葉で、自分のことを話そうとしているご利用者さまのお話しを聴くことは、ストレスの軽減や今後の生活意欲の向上に繋がるからです。
特に相槌のない矢継ぎ早の質問は、尋問されているような感覚を与え、信頼関係やその後の協力体制の構築障害となります。質問は的確に、短く済ませると良いです。
⑤リフレインの多用をする
前回、相手への共感を示す方法として、【リフレイン(オウム返し)】と言う方法をご紹介しました。
相手の言葉をそのまま繰り返すことで満足感や、共感を得ることが出来る方法ですが、使い方を間違えると逆効果となることもあります。特に、使い過ぎた場合には無機質な受け答えにとられる傾向が強く、反感を買ってしまったり「本当に分かってくれているのだろうか」と言う疑念を抱かせることにもなりかねません。用いる時には頻度とタイミングを見計らいましょう。
⑥話題の遮断
訪問看護師として対処できないと感じる質問をされることもあります。そんな時は、その話題から遠ざかろうとするのが人の思考です。しかし、ご利用者さまやご家族からの質問は、深刻な悩みや相談であることが多いのも事実です。
答えられない質問に遭遇した時の注意点としては、まずは一度落ち着き、その質問の意図について確認します。そして「今すぐにはお答えできないので、一度お時間をいただきたいです」と正直にお伝えします。胡麻化したり取り繕ったりした場合、今まで築いてきた信頼関係にヒビを入れる事態にもなりかねません。落ち着いた対処が大切です。
まとめ
今回はコミュニケーションの注意点をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。お心当たりがある場合や、誰かに指摘されたご経験があれば今後の注意が必要です。人として、気持ちよく良好な関係を築くきっかけになるのがコミュニケーションです。これからも勉強を続け、素敵な人になれるように心がけましょう!
そんなの力を伸ばしたいとお考えの方は、是非訪問看護で一緒に成長しましょう!
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さいごに
現在弊社では仲間を募集しています!
私たちのステーションは、クリニックと連携しているのでそこも魅力の一つになります。
グループ内での連携が整っているので、お互いの仕事を尊重し合い、働きやすい環境になっています。
情報交換もしていくので、看護師さんのスキルアップにも繋がります。
訪問看護師として、また、この福利厚生をふんだんに利用して、充実した時間を一緒に過ごしませんか?
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