ステーションコラム

第2回:訪問介護の運営指導(実地指導)~実際に指導のポイントとなる指摘内容①~

2025/06/09

こんにちは!ライフ訪問看護ステーション事務長の江藤です。

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訪問介護の運営指導(実地指導)においては、事業所が提供するサービスが法令やガイドラインに基づいて適正に運営されているかを確認することが重要です。今回は、訪問介護事業所における指摘が多いポイントとして、勤務体制の確保等管理者の責務、そして運営規程に焦点をあて、指導のポイントを解説します。

 

勤務体制の確保等

訪問介護事業所では、利用者のケアに支障をきたさないように十分なスタッフ配置を確保することが求められます。指導でよく指摘されるのは、次のような点です。

・スタッフの勤務時間やシフトが過重になっている場合。長時間勤務が続くと、疲労やストレスが蓄積し、ケアの質に影響を与える可能性があります。事業所は、労働基準法を遵守し、適切な勤務体制を維持する必要があります。

・スタッフの欠員やシフト変更が多すぎる場合。これにより、利用者へのサービスが途切れることを避けるため、柔軟な勤務体制を整え、代替の人員配置を適切に行うことが求められます。

また、訪問介護員の教育・研修の実施状況も重要なチェックポイントです。スタッフがケアに必要な知識を常に更新できるように、研修の実施状況や記録の確認が行われます。

管理者の責務

訪問介護事業所には、管理者が配置され、その業務を適切に遂行することが義務付けられています。指導では、次のような管理者に関する指摘が多く見受けられます。

・管理者の業務内容が不明確である場合。管理者は、事業所全体の運営・管理に責任を持つ役割を果たしますが、その業務範囲が不明確な場合、指導対象となります。業務内容が明確でないと、スタッフへの指示や現場の対応に問題が生じる恐れがあります。

・管理者が現場の運営に積極的に関与していない場合。管理者が現場に足を運んでいない、または現場の状況を把握していない場合、スタッフとの連携が取れず、サービス品質に影響を与える可能性があります。管理者は定期的にスタッフとミーティングを行い、事業所の運営状況を把握する責務があります。

管理者の責務は法令で定められており、事業所の運営を円滑に進めるために必須な役割です。

運営規程

運営規程は、訪問介護事業所が適切に運営されるための基本的な方針やルールを示した文書で、事業所内の各種業務における指針を示すものです。指導の際に運営規程が不備や不足している場合、改善が求められます。

・運営規程に必要な項目が記載されていない場合。たとえば、事故発生時の対応方法やサービス提供の基準、利用者のプライバシー保護に関する方針などが規程に含まれていない場合、法令違反として指摘されます。

・運営規程が現場の実態に即していない場合。運営規程は、事業所の運営状況や実際のサービス内容に合ったものに更新されるべきです。規程が古く、現場の運営に即していない内容の場合には、指導の対象となります。

運営規程は、事業所の運営がスムーズに行われるための基本となるため、定期的に見直し、現場に即した内容を反映することが求められます。

まとめ

訪問介護の運営指導では、勤務体制の確保管理者の責務、そして運営規程などが適切に整備されているかが重要なチェックポイントです。これらの基本的な要素がしっかりと運営されていない場合、事業所の運営に支障をきたすことになりかねません。
事業所は法令を遵守し、適切な体制を整備することで、安心して質の高いサービスを提供できるようになります。日常的な業務改善やスタッフ教育、運営規程の見直しを定期的に行い、指導があった場合でも迅速に対応できる準備を整えておくことが重要です。
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